テント生地・ビニールシートの機能性一覧

テント生地・ビニールシートにはさまざまな機能性があります。
このページでは、各機能性の説明と、機能性を表すアイコンをご紹介します。
商品ページでは各生地が持つ機能性をこれらのアイコンで表示していますので、ぜひ生地選びの参考にしてください。

機能性のアイコンと詳細

  • 防炎

    「防炎」とは「燃え広がりにくい」性質のことを指します。繊維などの燃えやすい性質を改良して防炎性能を与えると、マッチやライターなどといった小さな火源に接しても、炎が当たった部分が焦げるだけで容易には着火せず、着火しても火元から離せば自己消化性によって燃え広がりにくくなります。火災が発生した際に被害が大きくなることが予想される高層建築物や病院など、消防法で指定を受けた施設では防炎認定された製品・素材を使用することが義務付けられています。

  • 非防炎

    高熱を発する機械などに非防炎ビニールが触れると引火する危険性があります。防炎素材であれば火元から離すと自己消化性で鎮火しますが、非防炎の場合は火元から遠ざけても延焼し続け、周囲への燃え広がりを引き起こしてしまいます。非防炎の素材はコストパフォーマンスが高いのがメリットですが、公的機関や商業施設、不特定多数の人が出入りする場所など、消防法で指定を受けた場所では防炎認定された製品・素材を使用することが義務付けられており、非防炎の素材の使用は消防署などから指導や是正勧告等を受ける可能性があります。あらかじめ所轄の消防署にご相談ください。

  • 不燃

    「不燃」とは「燃えぬけない」性質の素材です。不燃ビニールシート・不燃テントシートは、樹脂や塩ビの層でガラスの繊維を生地に練り込んだガラス基布を挟み込んでいます。火元が当たると表面の樹脂や塩ビの層は燃えますが中心のガラス基布までは燃えぬけないため、シート自体の原型を保ち、周囲への燃え広がりを抑えることができます。火元が当たっている間はシート表面は燃えますが、火元が離れれば自己消化性によって燃え広がりません。ガラス繊維を使用した基布のため、防炎ビニールシートと比較すると折れ曲げに弱く、柔軟性に劣りますが、テントシートなど固定して使用する場合におすすめです。引火性の高い資材を保管する工場や倉庫では、不燃ビニールや不燃シートの使用が消防署から指導される場合もあります。

  • 帯電防止

    「帯電防止」とは「静電気を帯びにくくする」機能を指します。静電気は放電によって周囲の電子機器に悪影響を及ぼしたり、ホコリや細かなごみが付着して離れづらくなったり、特に精密機器を扱う工場では気をつけなければなりません。一般的にビニールシートは生地の擦れや生地同士の剥離で静電気を発生しやすく帯びやすいですが、帯電防止機能を持つビニールシートはビニールの表面に静電気を帯電させにくく、ホコリなどが付着しづらくすることができます。また帯電防止機能に特化した生地は表面に導電性塗膜を施して、より帯電しづらい仕様となっています。衛生環境に留意したい場所、クリーンブースなどでの使用におすすめです。

  • 防虫

    「虫を誘引しない・しにくい」効果を持つ防虫ビニールシートは、食品工場など虫を寄せ付けたくない場所での使用に用いられています。黄色やオレンジ色といった色味の防虫ビニールシートは、正の走光性を持つ虫に適しており、電球などの光源から発する可視光線に含まれる、360ナノメートル(nm)の波長をピークとする紫外線領域をカーテンで遮断することで虫が光を認識しづらくなり、飛来を減少させる効果が期待できます。主に夜間の防虫対策に使用されますが、昼間に使用すると逆に虫を呼び寄せてしまう可能性があります。濃いグリーンの防虫シートですと昼間の使用でも防虫効果が期待できるほか、害虫忌避剤を生地に練り込んだ生地を使用することで虫を近づけにくくすることができます。ビニデポには様々な色味・特性を持つ防虫ビニールシートを掲載しているため、設置場所や使用時間帯、期待する効果から条件に合ったシートをお選びください。

  • 害虫忌避

    特殊な配合を生地に施し、虫を寄せ付けにくくしたビニールシートです。「防虫」は生地で特定の波長の光を遮り、光に誘引される虫がおびき寄せられることを防ぐ目的とした機能性ですが、「害虫忌避」は虫が嫌う成分を生地に練り込むことで、虫が生地との接触をしづらくなり、より虫の侵入を防ぐことが期待できます。害虫忌避対策を施されたビニールシートは、薬剤によって対象害虫が忌避したり、接触した場合にノックダウン(気絶)したりといった効果があります。経年劣化や使用環境により効果は低下しますが、光に集まる習性のない虫や、昼間の時間帯など、光を遮る「防虫」シートでは対応できないタイプの害虫にも効果を発揮することが期待できます。

  • 耐寒/耐冷

    通常のビニールシートは、マイナスの温度になると硬化してしまい、使いづらく、時にはひびが入って欠損してしまうこともあります。一方「耐寒/耐冷」のビニールシートは「可塑剤」というビニールを柔らかく保つ材料を通常のビニールシートより多く含むため、マイナス温度の環境下でも硬化しにくい性質を持ち、柔軟性を維持したままビニールカーテン・間仕切りなどにご利用いただけます。しかし、熱や紫外線により生地内部から染み出した可塑剤が帰化してしまう性質があります。そのため可塑剤を多く含む耐寒ビニールシートを常温や高温の環境下、またマイナス温度でも屋外で使用すると可塑剤が抜けてしまい生地が硬化してしまいます。使用環境や温度に注意して耐寒ビニールシートをお選びください。

  • 耐薬品

    一般的なPVC製品に比べ、薬品に耐性がある生地を指します。しかしどのような薬品に対しても耐性があるわけではなく、生地によって耐性のある薬品が異なり、薬品の種類や温度、濃度によっても使用可否がございますのでご注意ください。

  • 耐油

    油状の物質に耐性のある・影響を受けにくい素材を指します。機械油などが生地にかかっても、通常のビニールシートに比べ劣化しづらい特性があります。生地によって耐性のある油の種類が異なるためご注意ください。機械油や装置などのオイル飛散防止用として用いられることが多く、工場設備周りや油を使用する場所に適しています。

  • 防音

    「防音」には「遮音」と「吸音」のふたつの性能が含まれています。「遮音」とは、空気中を振動して伝わってくる音を跳ね返して反響させ、遮音した空間の外に騒音が漏れるのを防ぐことで、「吸音」とは、発生した音を空間で吸収して音を小さくし、空間の外への音漏れと同時に空間内への反響を軽減させることです。防音したい空間でどちらの効果を期待したいか、どういった音を防音したいかで生地をお選びください。

  • UV99%カット

    皮膚の弾性を失わせ老化を促進したり、皮膚の色素沈着や日焼けを起こしたりと、人体に有害な影響を及ぼす紫外線(UV)を99%以上カットする生地です。糸入りビニールや透明ビニール、テント生地など、様々な種類の生地でUV99%以上カットするものがございますが、カラーバリエーションのある生地ですとカラーによってUVカット率が異なる場合がございます。必要なUVカット率やご希望のカラーからお選びください。

  • 黄変防止

    通常、透明ビニールを含むPVCシートは、屋外で使用すると生地が黄色っぽく変色してしまいます。この現象を「黄変」と言います。「黄変」の要因としては設置環境や温度も関係してきますが、主な原因は紫外線による劣化で、長期間にわたり紫外線が生地に当たることでPVCシートの分子結合を破壊し、酸化反応を促進させ、黄色っぽい変色となります。しかし生地に黄変防止剤を添加しておくことで劣化を遅らせ、黄変しづらくすることができます。採光性が高い生地や、透明度を特徴としている生地に「黄変防止」機能がついているものが多いため、屋外でのご使用を検討の際は「黄変防止」機能で選ぶのがおすすめです。

  • 光触媒

    「光触媒」とは、二酸化チタンを主成分としたコーティング剤を製品の表面に塗布し、そこに紫外線や光が当たると酸化還元反応が起こり、空気の浄化やコーティングした面の汚れ防止効果を発揮する技術です。ビニールシートに「光触媒」加工を施すと、生地が紫外線を浴びることで表面の光触媒層の二酸化チタンが反応を起こし、表面に付着した有機物を分解し、汚れがついても水などを流すと簡単に落とせる、という機能となります。ただし「光触媒」の防汚性能は環境条件や使用状況によって変化するため、光の量・強度が不足している場合や、表面に強い油汚れや汚水が付着している場合は効果が低減することがあります。また設置後に一定の時間(半年前後)が経過してから効果が発生となります。しかし二酸化チタンが生地表面に付着している限りは、紫外線を受けることで反応を起こし、防汚性の効果が続くと言われています。

  • フッ素防汚

    「フッ素防汚」とは、生地表面にフッ素系アクリル樹脂をコーティング加工して防汚性能を持たせた性能のことを指します。「フッ素防汚」加工を施したビニールシートは汚れ自体が付着しづらく、付着してしまった場合でも簡単に汚れを拭き取ることができます。屋内外問わず高い防汚性能を発揮する機能です。またフッ素系アクリル樹脂をコーティングすることにより、表面の汚れ防止だけでなく、可塑剤の移動抑制効果もあります。これにより生地の長期使用が叶えられます。

  • PVDF防汚

    「PVDF」とはフッ素樹脂のひとつで、「PVDF防汚」加工は通常の「フッ素防汚」よりさらに防汚性能、耐久性能が向上した機能です。PVDF系樹脂をコーティングすることにより、生地表面の汚れ防止だけでなく、可塑剤の移動抑制効果もあります。これにより生地の長期使用が叶えられます。長期間使用したい場所、一度取り付けてしまうとなかなか取り替えられない箇所でのご使用におすすめです。

  • 吸水防止

    通常のビニールシートは、長時間の雨や水にさらされ続けると生地自体が水分を吸水する性質があります。生地が水分を吸水するとシミができたりカビが発生したりする可能性があり、景観や衛生的に劣ってしまいます。また軒先テントなどに使用している場合に水分を吸水してしまうと、雨を通すほどでなくとも生地の裏側に徐々に水分が染み出てきてしまい、水がしたたる要因となってしまいます。しかし「吸水防止」機能を持たせた生地であれば、シート自体が吸水することを防ぐため、生地の裏面に水滴が付着しづらくなり、シミやカビの発生を防ぎ美観維持させることができます。

  • 遮熱

    「遮熱」とは、熱の伝導を防ぎ、空間温度を快適に保てることを指し、反射材量を使用して太陽光線を反射し、熱が生地から侵入することを防ぎます。ビニールシートの遮熱材には、アルミニウム箔や白い塗料、セラミック系コーティングなどが使用され、これらが太陽光線の一部を反射することで空間内部の温度上昇を抑える効果があります。反射率が高い材料を使用するとより太陽光線を反射する効果が高くなり、遮熱効果が向上します。

  • 断熱

    「断熱」とは、外部からの熱や冷気の侵入を防ぎ、温度を保つことを指します。断熱材を使用することで、冷房や暖房の消費エネルギーを減らし、省エネ効果を発揮することができます。また外部の熱を遮断できることから、保冷・保温目的に使用することもあります。断熱材には熱伝導率が低い材料を使用することで、断熱効果を高めることができ、繊維状の断熱材や発泡ポリエチレン・ウレタンは素材の間に空気層ができるため、熱伝導率が低く、断熱性能が高いとされています。断熱効果は季節や地域によって異なりますが、夏場は室内温度を下げ、冬場は室内温度を上げる効果があります。

  • 高耐候

    「耐候性」とは、屋外などの雨風、日差しなどに対する強度が通常のビニールに比べて比較的に高い強度を持つ素材を示します。中でも屋外の自然環境に耐えうる強度を持ち、長期間使用できるものを「高耐候」と言います。「高耐候」の生地はテント屋根や屋外のビニールカーテンなど、なかなか取り替えられず屋外で長期間の使用を想定されるものに多く使用されます。

  • 保温

    「保温」とは、物体や空間の温度を一定に保つための方法を指します。温度は温かいものから冷たいものへ伝わっていくという性質があり、「保温」は物体や空間の温度を保つため、外部への熱の流出を防ぐことを意味します。間仕切りをすることである程度空間の温度を保つことができますが、熱伝導率の低い素材を用いることで、さらに熱を外部へ伝えにくく、物体や空間の温度を一定に保つことができます。

  • 保冷

    「保冷」も「保温」と同じく、物体や空間の温度を一定に保つための方法を指します。温度は温かいものから冷たいものへ伝わっていくという性質があり、「保冷」は物体や空間の温度を保つために、外部からの熱の侵入を防ぐことを意味します。間仕切りをすることである程度空間の温度を保つことができますが、熱伝導率の低い素材を用いることで、さらに熱を外部へ伝えにくく、物体や空間の温度を一定に保つことができます。

  • 遮光

    生地によって光線を遮ることを「遮光」と言います。生地の種類や色味によって遮光率が異なり、また遮光率が100%に近い生地は真っ暗に近く、どれだけの遮光性が必要か、デザインや意匠性も必要かによっても生地の種類を選択する必要があります。本当に真っ暗にしたい遮光性を求める場合は、黒い生地を2重、3重に貼ったうえ、隙間からの光の侵入を防ぐ、といった対応が必要となります。

  • 撥水

    「撥水」とは、生地表面を球状になった水が転がり落ちるような作用で、付着した水を弾く機能を持ちます。生地の表面、もしくは生地を構成する糸に撥水コーティングを行うことで撥水加工を施します。基本的に「少量」の水を弾くものであり、水量が多い場合には生地に水が染みこむなど、撥水効果が薄れる恐れがあります。生地(織物・編物・不織布)は糸を用いて作られており、糸の間に隙間があるため、長時間の雨などの場合、撥水加工だけでは水の透過を防ぐことは出来ません。また撥水加工は永久機能ではないため、コーティング加工が落ちると撥水機能を失ってしまいます。「撥水」と混同されがちな言葉として「防水」という言葉がありますが、これは異なる機能です。

  • 完全防水

    「防水」とは、外界から水が入り込まないように加工することで、ウォータープルーフとも言います。生地面に被膜を作り、生地そのものを水を通さない素材にしたり、水が生地の裏側に染み出してしまうことを防ぐ加工で、水を弾く効果を持つ「撥水」加工と異なる効果があります。「完全防水」は防水の程度を表し、水の侵入を完全に防ぐ機能を指します。生地の表面から裏面に水が染みださないため、生地裏面に水のシミができてしまう心配がありません。長期間雨が避けられない環境下などでの使用には、防水機能を持つ生地がおすすめです。

  • 印刷対応

    溶剤印刷、UV印刷など、印刷に適した生地のことを指します。印刷方法によって印刷媒体の色や素材に制限がある場合が多いため注意が必要となります。

  • 防さび

    「防さび」とは、金属(鉄系)のサビを抑制する効果のことを指します。「防錆」と書いて「ぼうせい」と読むこともあります。防さび効果のある生地には、シート内に「気化性防錆材」が含まれており、常温で徐々に昇華(気化)して大気中の水蒸気に溶解します。水蒸気中に溶け込んだ防錆成分によって鉄系金属表面にできる不均衡電位を抑え、電気化学反応を抑制して防錆します。充分な防錆効果を得るには、さびつかせたくない対象物を防錆効果のあるシートでしっかりと包み込み、化学反応を抑制することが必要となります。また屋内の一般的な使用環境で、防さび効果は約3年間程度持続すると言われています。

  • 溶接遮光

    溶接時に発せられるアーク光には、眼に見える可視光と目に見えない紫外線・赤外線が含まれており、眼に有害な光を放ちます。この有害な光を防ぐため、溶接時には直接光を見ないよう、遮光性能のある生地などを通して対象物を見る必要があります。個人用保護具を使用する溶接作業者以外の周囲の安全を守るため、溶接遮光機能のある生地を用いて溶接作業ブースや間仕切りカーテンを使用することをおすすめします。

  • 無毒

    有毒な化学物質を含んでおらず、食品・添加物等の規格基準試験<厚生省告示第370号規格試験>に適合したシートを指します。食品に触れる場所でも使用でき、調理用機材や食品製造工場内での使用も可能です。

  • 抗ウイルス

    抗ウイルス性能を付与した生地を指します。すべてのウイルスに対して効果があるものではありませんのでご注意ください。抗ウイルス性能は抗ウイルス剤を生地に練り込んだり塗布しており、表裏両面に抗ウイルス効果を持つものが多くあります。抗ウイルス性能は特定のウイルスの量を減少させる効果があり、間仕切りや飛沫感染対策ビニールとして、周囲へのウイルスの拡散の低減させたり、カーテンやカバーとして使用し、清潔さを保つことが期待できます。抗ウイルス性能を付与した材料を生地に練り込んでいる場合は、抗ウイルス剤をコーティング加工した生地に比べ、擦れても抗ウイルス効果を持続することができます。また抗ウイルス性能とあわせて抗菌性能を持つ生地もございます。

  • 防鼠

    「防鼠」とはネズミの侵入を防ぐことを指します。ネズミは病原菌やノミを保有していることが多く、衛生的にもネズミの侵入は大変危険です。またネズミによる電気ケーブルの切断、それに伴う漏電が引き起こす火災や物の破損も問題となっております。このようにネズミによる被害、損害は大きく、特に衛生面に留意しなければならない食品工場などではネズミ対策は必須です。防鼠シートはネズミが嫌がる成分を生地に練り込み、主に咬害を防ぐことができます。合成カプサイシンなどを練り込んだ生地は、ネズミをはじめとした味覚を有する動物に効果があります。